ご存知ですか?税務調査の種類

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


納税も税務調査も国民の義務

憲法30条により国民には納税義務がある。そして、税務署は納税者に対し「質問検査権」を行使して税務調査を行うことができ、納税者は税務調査に応じなければならない「受忍義務」というものがあることを知っておいてほしい。なお、税務調査を受けたくないからと拒否し続けることは、「検査拒否妨害罪」などの罰則が課せられるので現実的には不可能である。

税務調査の種類

税務署の人事異動は通常7/10付で実施されるため、7月中旬以降から税務調査の連絡が入ることが多い。税務調査といっても目的に応じ種類があるのでご紹介する。

まず、税務調査には、大きく強制調査と任意調査がある。

◎強制調査

悪質な脱税に対する告発等を目的として「国税犯則取締法」に基づいて行われるものだ。まさに伊丹十三監督の映画「マルサの女」のような内容となり、追徴税金を払うことは当然だが、社会的制裁として氏名や脱税額などが報道される可能性が高い。

◎任意調査

通常実施されている税務調査である。この任意調査には、準備調査と実地調査がある。

準備調査

準備調査には、机上調査と外観調査がある。

◎机上調査

税務署内で行われる調査で、調査対象となる納税者から提出された確定申告書・決算書・事業概況書など、取引先から提出された法定調書や銀行への反面調査により得た書類から、実地調査を行うかどうか決めることになる。この時点で書類に不備等があれば、顧問税理士や納税者へ連絡がある。

◎外観調査

調査対象となる納税者の事業概況を把握するために行われるもので、例えば飲食店などの現金商売の場合、税務調査官がお客になりすまして来店し来客数や注文書、レジの管理状況などを調べる。

実地調査

実地調査には、一般調査、現況調査、反面調査、特別調査、特殊調査がある。

◎一般調査

3~5年毎に行われる通常の税務調査のことである。調査対象となる納税者の申告内容が正しいかどうかを確認するためのものである。税務署から事前に納税者や顧問税理士に調査依頼の電話が入る。

◎現況調査

いわゆる事前通知がない「抜き打ち調査」と言われる調査である。タレコミや内部告発などで事前に不正の情報をつかんでおり、事前に通知すると証拠隠滅が図られると考えられるケースで現金商売などを対象としている。現況調査は強制調査ではないが、相当の理由がない限り日程変更は難しいだろう。また、必要と判断された場合には、その場でレジや金庫の中を確認されることになる。

◎反面調査

調査対象となる納税者の取引先や銀行などに対して、申告内容等が正しいかどうか裏付けを取るために行われる調査のことである。調査対象である納税者の調査では充分な証拠が得られなかったり、納税者から提出された納品書・請求書・領収書などに不備な点が多い場合に行われる。取引先などとの関係上、反面調査が実施されることがわかった時点で先方に連絡を入れるほうがいいだろう。

◎特別調査・特殊調査

特別調査とは、準備調査の結果、一般調査だけでは不十分と判断される場合に行われる調査であり、一般調査に比べて細部に渡り調べられ調査日数に制限を設けていない。

また、特殊調査とは、単独の調査では把握できないグループ企業などを対象として行われる調査である。

税務ニュース№135


Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ