2009年度 年末調整は段取りが肝心

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


年末調整は段取りが大事

今年も年末調整の時期がきた。毎年のことながら1年に1度しかないため、税務署から送られてきた用紙をみても、やり方をすぐに思い出せないかもしれない。そこで、今回は年末調整の基本的な流れを確認していただき、改正点を抑えていただきたい。

年末調整の流れ

年末調整がスムーズに行くかどうかは、段取りで決まる。会社の経理・総務担当者1人で完了する業務ではないので、早めに準備を行うことが肝心である。

○11月中
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」を各従業員に配布する
できれば、「12/10まで」というように期限を決めて回収する

○12月
源泉徴収簿に扶養控除額や生命保険料控除額など各人ごとの事情を記載する
(給与ソフトを活用されている場合は、事前に入力を済ましておく)
最後の給料又は賞与(給料賞与とは別に計算することも可能)にて年末調整を行う
(年調年税額>源泉徴収税額の場合は差額を徴収し、年調年税額<源泉徴収税額の場合は差額を還付する)

○翌年1月10日又は20日
源泉徴収税額を金融機関に納付する(納付額がゼロのときは税務署に提出する)

○翌年1月中
税務署に、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」及び「支払調書」を提出する
市区町村に、「統括表」及び「給与支払報告書」を提出する

2009年度改正点 住民税の住宅ローン控除の申告が不要

平成19年に税源移譲が実施され、所得税と住民税の税率が変更された。それに伴い、平成11年から平成18年までに新たにマイホームを購入した納税者については、本来所得税から控除できるはずだった住宅ローン控除額が減少してしまうという事態が生じた。そこで、年末調整の際に控除できない住宅ローン控除額がある場合には、本人が3月15日までに市区町村に住民税の住宅ローン控除の申告をする必要があった。普段、会社が行う年末調整だけで税金の精算が完了している多くの給与所得者にとっては不慣れなことであり、早い改正が望まれていた。

今年になって地方税法が改正され、源泉徴収票の摘要欄に記載された「住宅借入金等特別控除可能額」や「居住開始年月日」などを基に市区町村が住宅ローン控除額を計算することとされた。従って、今後は納税者本人からの住民税の申告は原則不要となる。会社の経理・総務担当者としては、忘れずに源泉徴収票の摘要欄の記載を行い(特に手書きで作成している場合)、口頭や書面で申告不要のことを教えてあげるとよいだろう。

なお、住民税の住宅ローン控除の対象は平成11年から平成18年までに入居された人に限定されており、平成19年1月1日から平成20年12月31日までに入居された人については、住民税の住宅ローン控除の対象とはならない(変わりに、選択制の住宅ローン控除制度となっている)。

また、景気対策の一つとして住宅投資を活性化するために、新たに平成21年から平成25年に入居された人のうち、所得税から住宅ローン控除を控除しきれない人について、平成22年以降の住民税の住宅ローン控除の対象となるよう改正された。

ちなみに平成21年中にマイホームを購入された人やリフォームされた人については、年末調整では税金の精算はできず、1年目は確定申告をすることになる。

税務ニュース№151


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