平成22年は7/12が納付期限!源泉所得税の納期特例

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


制度趣旨

源泉徴収した所得税は、原則として給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければならない。

しかし、給与の支給人員(個人事業の場合の青色事業専従者を含む)が常時9人以下の中小企業などの源泉徴収義務者については、事務手続きの簡便化を考慮し、源泉徴収した所得税を半年分まとめて納めることができる特例がある。これを一般的に「源泉所得税の納期の特例」という。

具体的には、納期の特例を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税は7/10(H22年は7/12)、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1/10(後述するが、さらに特例として1/20)が納付期限となる。

ただし、この特例の対象となるのは、給与・賞与・退職金から源泉徴収した所得税と税理士・司法書士・社会保険労務士報酬などから源泉徴収した所得税に限定される。これら以外の原稿料や外注費などから源泉徴収した所得税については、納期の特例制度はなく、支払った日の翌月10日までに国に納めなければいけないので、間違わないようにしていただきたい。

この特例を受けるためには

この特例の適用を受けるためには、事前に給与等の支払を行う事務所などの所在地を所轄する税務署長に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する必要がある。さらに、7月から12月までに源泉徴収した所得税を翌年1/20まで延長させるには、その年の12/20までに「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を所轄税務署長に提出し、その年の12/31において源泉所得税の滞納がないという要件も満たす必要がある。

初めて特例の申請をする場合、これらの2つの機能を組み合わせた「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出すればよい。 

では、いつから適用になるかというと、申請書を提出した月の翌月末日に承認があったものとみなされるため、原則として提出した日の翌月に支払う給与等から適用される。例えば、4/15に提出した場合なら4月分は5/10までに納め、5.6月分を7/10に納めることになる。

未払給与に対しても源泉徴収するのか?

役員や従業員に毎月支払う給与等は、通常は定められた支給日にその総額を支払い、その際に所得税を源泉徴収する。しかし、資金繰りの悪化により、全部または一部の支給が困難な中小企業も少なくない。この場合、どうすればいいのか?

未払となる場合には、原則として支払うまで源泉徴収は行わないことになる。また、給与等の一部を支払い、残額が未払となるような場合には、本来支払うべき給与等から実際に支払った給与等の金額に対応した部分の所得税を源泉徴収する必要がある。

納期の特例という制度は、事務手続きを簡便化するうえではメリットはあるが、源泉所得税を半年分まとめて支払うため金額が多額になる。資金繰りを平準化させたい場合には、毎月納付をお勧めする。

税務ニュース№179


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