4月から変更になる税務・労務情報<労務編>

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


前回は、この4月から変更になる税務情報をお届けしたが、今回はその労務編をお届けする。こちらも改正項目が盛りだくさんなので、項目だけでも押さえておいて頂きたい。

雇用保険料率の引き下げ

現在、国会で改正雇用保険法の審議が行われており、成立すればこの4月から雇用保険料率が引き下げられることになる。法案では建設業等以外の一般事業の場合、保険料率は現在の19.5/1,000から15/1,000への変更を予定している。事業主負担と被保険者負担の内訳は、事業主が9/1,000(現在11.5/1,000)、被保険者が6/1,000(現在8/1,000)となっている。

健康保険の標準報酬月額の改訂

健康保険の標準報酬月額は現在39等級に分類されているが、この4月から47等級に変更になる。具体的には現在の1等級(標準報酬月額98,000円)の下に、更に4等級が追加され、現在上限である39等級(標準報酬月額980,000円)の上にも、更に4等級が追加される。

賞与の場合にも、これまで1回当たり200万円で頭打ちだった標準賞与額が年間累計540万円に変更になる。

尚、上記の改正は健康保険のみの改正であり、厚生年金には影響しない。

離婚時の年金分割

この4月1日以後に離婚した場合において、離婚した当事者間の合意や裁判手続により按分割合を定めたときには、その当事者の一方からの請求によって、婚姻期間中に納めた保険料に応じて厚生年金の最大半分まで分割することができるようになる。

分割の対象となるのは、厚生年金等の報酬比例部分いわゆる「2階部分」だけで、「1階部分」である基礎年金や、「3階部分」である厚生年金基金等の上乗せ部分については対象とならない。

国民年金保険料引き上げ

4月から国民年金保険料が月額14,100円に引き上げになる(月額240円の引き上げ)。

70歳未満の医療費窓口負担軽減

現在、70歳以上の方々については、一医療機関における入院について、医療費の1ヶ月当たりの自己負担限度額が定められている。その金額を超えた場合には、その超えた部分の金額は窓口での支払いが免除される。しかし70歳未満の場合には、高額療養費の還付制度があるため、限度超過分は後日請求すれば還付はされるものの、いったん窓口で支払わなければならない。

それがこの4月から、70歳未満の方々についても、70歳以上と同様に限度額を超えた場合には、窓口支払が免除されるようになる。

乳幼児への児童手当改定

現在の児童手当は、第1子・第2子が月額5,000円、第3子以降は月額10,000円であるが、この4月以降は0~2歳児の第1子から一律月額10,000円になる。

傷病手当金、出産手当金の一部改正

傷病手当金及び出産手当金は、現在「標準報酬日額の6割」に設定されているが、この4月から「標準報酬日額の2/3」に引き上げられる。

定年引上げ等奨励金制度の創設

常用被保険者数300人以下の事業主が就業規則等により、定年引上げ等を実施した場合には、その経費として40~80万円を1回に限り支給したり、定年引上げ後1年以内に、55歳以上の被保険者に対して一定の研修等を行った場合に、研修費用の1/2を支給する制度などが新設される。

全ての改正項目についてはご紹介できないが、上記に挙げた項目だけでも頭の片隅に留めておいて頂ければ幸いである。

税務ニュース№20


Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ