福利厚生費にできる忘年会費用とそうでないもの

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


12月は忘年会でも忙しい

早いもので、今年もあと2週間あまりとなる。12月の恒例行事といえば、やはり忘年会は外せない。

ところで、会社が負担した忘年会費用はすべて福利厚生費として費用処理できると思われがちだが、実はそうではない。

そこで、今回は福利厚生費として費用処理できる忘年会費用とそうでないものとをご紹介する。

福利厚生費とは

法人税において、「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」という)のために支出する費用をいう。」と定められていて、次に掲げるものについては、交際費から除かれるとされている。

1.専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用

2. 飲食等のために要する費用(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用(一定の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用される)

3. 広告宣伝費に該当するもの

4. 会議費に該当するもの

5. 取材費用に該当するもの

ここで交際費から除かれるものとして、「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用=福利厚生費」が挙げられている。具体的に、社内の行事に際して支出されるもので、創立記念日や新社屋落成式等に際し、従業員等におおむね一律に供与される通常の飲食に要する費用を福利厚生費とすることができる。

このようなことから、従業員全員を対象とした社会通念上常識の範囲内で実施される忘年会費用は福利厚生費として費用処理できることになる。

忘年会を役員のみで実施した場合

役員のみで忘年会を実施した場合も、福利厚生費として処理できるのであろうか?役員や一部の従業員のみで忘年会を実施した場合の費用は、実は社内交際費または給与扱いとなる。

また、忘年会は一次会、二次会、三次会・・となることも多いが、全てが福利厚生費となるわけではない。先ほどの「専ら従業員の」は従業員全員が参加していることを要件としていると解されるため、一般的に一次会は全員を対象としていても、二次会以降は有志のみという場合には、二次会以降の費用やはり社内交際費となってしまうので、注意していただきたい(通常要する費用ではないという考え方もある)。

得意先を招待して忘年会を実施した場合

例えば、営業部(10人)が得意先2人を招待(接待)して忘年会を居酒屋(総額50,000円)で実施した場合。この場合に、交際費から除かれる「1人当たり5,000円以下の飲食費」に該当するかどうかを検証すると、50,000円÷12人≒4,167円≦5,000円となり、交際費ではなく会議費などとして処理することができることになる。

賢く税制を活用することが節税につながるといえよう。

税務ニュース№203


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