財務省、海外配信への消費税課税を検討

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


消費税増税、夏にも成立の見通し

6/26に社会保障と税の一体改革関連法案が衆議院を通過した。順当にいけば、8月頃には消費税の増税が決定する見通しとなった。実現すれば、2014年4月から8%、2015年10月から10%に増税となる。消費税増税については、税率ばかりに目が行きがちだが、今後は、増税によって影響が出てくる実務面での是正にも議論が進んでいくものと思われる。

現在、早くも是正に向けて動き出したのが、「海外配信」問題である。最近、電子書籍や音楽、広告の配信などで、海外企業が日本国内にサービスを行っているケースも多く、国内企業が海外企業と熾烈な競争を繰り広げている。そのときに問題になっているのが、消費税である。

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に対して課税される。そのため、国内企業が電子書籍等を国内のサーバー等から配信する場合には、消費税が課税される。しかし、海外企業が海外のサーバー等から日本国内に配信した場合には、消費税が課税されない。その点で、国内企業は既に5%のハンディを負っていることになる。最終的に消費税が10%に増税された場合には、その格差がさらに広がるため、国内企業から見直しを求める声が上がっていた。

財務省、有識者による研究会を立ち上げ

それに対し、財務省は7/5に「海外配信」に対しても消費税を課税することを検討するため、有識者による研究会を立ち上げた。実際、EUなどでは海外からの配信に対しても、消費税に相当する付加価値税を課税しており、それに準ずる方向で検討がされるものと思われる。

まだ現段階では白紙であるが、新たに課税対象になるとすれば、その範囲によっては他の同様の取引に影響を及ぼす可能性もある。最近では、中小企業が海外取引を行っていることも珍しくなく、こういった改正が中小企業の実務に影響してくる可能性は十分ある。「海外配信」問題に限らず、消費税増税の“波及先”を注視しておく必要があるだろう。

税務ニュース№280


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