消費税でトクする会社、ソンする会社、あなたの会社はどっち?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


実は、消費税増税は法人には影響しない?

消費税増税の経過措置として、一定の種類の契約の場合、平成25年9月30日までに契約を締結しておけば、引き渡しが平成26年4月1日以降になったとしても、消費税率5%が適用される。この経過措置の適用を受けるために、住宅などの購入は駆け込み需要があったように聞く。ただし、この経過措置でトクをするのは、一般消費者の場合である。法人事業者の場合、原則課税を前提とすると、増税前も増税後も基本的に有利不利はない。

なぜなら、原則課税の場合、売上とともに預かった仮受消費税から、仕入等とともに支払った仮払消費税を控除した残額を納税する仕組みが基本だからである。預かっている消費税を納税するだけで、自己負担額はないため、消費税率がいくらになっても、ソンするわけではない。もちろん、預かった消費税をしっかり管理しておかないと、納税時に困ることになるわけだが、それは損得とはまた別の問題である。

業種、会社規模により明暗分かれる

しかし、現実には、消費税でトクする会社、ソンする会社が存在する。消費税でトクする会社は、免税事業者、簡易課税適用事業者である。免税事業者は、預かった消費税を納税する必要がないため、消費税率が上がればトクをする。簡易課税の場合も、実際に支払った消費税とは関係なく、みなし仕入率で消費税を計算するため、益税が発生する可能性がある。消費税増税に伴って、これらの益税にメスが入れられる可能性はあるが、現段階では不明である。

逆に、消費税でソンする会社もある。売上の大半が非課税である業種、例えば医業や調剤薬局などである。これらの業種は、売上のほとんどが非課税であるため、薬剤仕入等にかかった消費税の控除が認められず、消費税の還付を受けることができない。そのため、消費税の増税分を自己負担しなければならず、それがダイレクトに損益に跳ね返ってくる。

また、課税売上高が5億円超の場合には、仕入税額控除の計算において、個別対応方式又は一括比例配分方式を選択しなければならず、非課税売上があれば、仕入等にかかった消費税を全額控除することはできない。こういった会社では、消費税増税によりソンをする可能性がある。自社の現状を把握して、増税対策を考える必要があるだろう。

税務ニュース№342


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