平成19年度版「中小企業税制50問50答」を利用しよう

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


中小企業庁の定番小冊子

中小企業庁から、今年も中小企業税制の問答集が発表された。「中小企業税制50問50答」である。中小企業向けの優遇税制等が非常にわかりやすく解説されている、中小企業庁の人気冊子の1つで、毎年税制改正に合わせてバージョンアップされている。今年は昨年の「48問48答」から2問が追加され、「50問50答」になっている。弊社でもよく利用させて頂いている、お勧めの小冊子だ。

目次

今年の平成19年度版の目次は以下のようになっている。

序章・・・財務基盤強化のために押さえておきたいツボ
1・・・・中小同族会社に対する留保金課税の撤廃
2・・・・欠損金の繰越し・繰戻還付
3・・・・減価償却制度の抜本的見直し
4・・・・中小企業投資促進税制と中小企業等基盤強化税制
5・・・・情報基盤強化税制
6・・・・少額減価償却資産の特例
7・・・・人材投資促進税制
8・・・・試験研究税制
9・・・・事業承継に関する税制
10・・・その他の活用できる税制

どの項目も図表等を使って、わかりやすくまとめられており、これ1冊で中小企業の法人税から相続事業承継までの主要項目がほぼ網羅されている。以下、今年の税制改正のおさらいも含めて簡単に解説していきたい。

青色中小企業者は、欠損金の繰戻還付の適用漏れに注意

まず1では、同族会社の留保金課税の改正について紹介されている。平成19年4月1日以後開始事業年度から、資本金1億円以下の中小同族会社はこの規定の対象外となる。

2は、欠損金の繰越しと繰戻還付についてである。欠損金の繰越しについてはよく知られており、今さら説明するまでもないが、欠損金の繰戻還付については意外によくわかっていない方も多い。

青色申告書を提出する、設立5年以内の中小企業者であれば、黒字の出た翌事業年度が赤字であった場合、前期に支払った法人税の還付を請求することができる。実はこの特例は現在停止中なのだが、特例の特例として、上記の中小企業者にのみ認められている。これを機に是非覚えておいて頂きたい。

特別償却・特別控除関係は金額要件に注意

3から6までは減価償却についての項目である。減価償却については、ご存知の通り、今年大改正が行われたので、要チェックである。また、特別償却や特別控除については、金額要件などわかりにくい点も多いので、辞書代わりに使って頂くのも1つだ。リース会計基準の変更に伴う改正についても触れられている。

教育訓練費の特別控除も利用しよう

7、8では、教育訓練費の税額控除や試験研究費の税額控除についてまとめられている。教育訓練費の特別控除などは、費用集計の手間等もあるためか、利用する企業が少ないように思うが、いざその気になれば結構な税額控除を受けられる場合もあるので、是非自社に適用できないか確認して頂きたい。

新しい同族会社株式特例も要チェック

9は事業承継税制についての章で、かなりのページを割いて詳しく解説されている。現在は贈与税も暦年課税と精算課税の2種類に分かれ、今年の税制改正で新たな同族会社株式特例も創設されているので、一度整理して押さえておきたいところだ。尚、現在自民党の事業承継問題小委員会では、さらなる改正の検討を行っているようなので、今後の動向には要注意である。

冊子の入手方法

この冊子は以下のホームページからダウンロードできるため、是非入手して、自社に該当する項目だけでもチェックして頂きたい。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/faq50/index.htm

税務ニュース№37


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