準確定申告と確定申告の違い

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


突然の訃報

魚屋を営むAさんは、突然心筋梗塞を起こし残念なことに帰らぬ人となった。
税金のことはすべてAさんが管理していたため、残されたAさんの妻B子さんは、何もわからずの状態で過ぎていった。

しかし、四十九日の法要のとき、親戚から「準確定申告を4か月以内にする必要がある」と告げられて困り果てた。そこでB子さん、初めて税理士事務所を訪れた。

準確定申告と確定申告の違い

準確定申告と確定申告は、申告する内容に大きな違いはないが、いくつかの注意点がある。

まず、準確定申告は本人が申告するのではなく、遺族である全相続人が連名で申告することになる。また、申告する税務署は、被相続人の住所地を所轄する税務署に提出することになるので、間違えないでいただきたい。

さらに、通常の確定申告は翌年の2/16~3/15に行うが、準確定申告の提出期限は被相続人の死亡後4ヶ月以内となっている。したがって、年末に死亡した場合の準確定申告の提出期限は、3/15ではなく通常死亡後4ヶ月以内となる。

また、申告期限が4ヶ月以内ということは、当然納税も4ヶ月以内となるので、資金繰りも考える必要がある。

医療費控除

長い間入院されており、その病院でお亡くなりになられた場合は、相続人である妻や子供が医療費を支払うことになる。

仮に亡くなられた当日に医療費を支払ったならば、準確定申告の医療費控除の対象になる。しかし、後日医療費を支払った場合は、準確定申告の医療費控除とはならずに、相続税の計算をする際の費用として取り扱うこととなる。相続の申告不要ならば、使い道がなく損となってしまう可能性があるので注意していただきたい。

控除関係

社会保険料・生命保険料・損害保険料・小規模企業共済は、死亡の日までに支払った金額が控除の対象となる。配偶者控除・扶養控除は、死亡の日の現況により判断する。

もし、被相続人の所得が38万円以下の場合は、この被相続人を扶養家族とすることができる。扶養に入れるかどうかは、その年に1日でも生存していれば良いのである。

事業を奥さんが引き継ぐ場合

上記ケースで妻のB子さんが魚屋さんを引き継ぐ場合、夫婦だから何もしなくても税金関係が自動的に引き継がれるわけではない。

夫が青色申告をしており妻も青色申告を選択する場合、必ず税務署に「青色申告承認申請書兼青色専従者給与に関する届出書」を妻の住所地等を所轄する税務署に提出する必要がある。他に開業届や消費税関係の書類などを提出する必要もある。

未支給年金の取り扱い

公的年金受給者本人が死亡した場合には、最長で2ヶ月分の未支給年金が生じることがある。この未支給年金は、相続人に支給されることになるが、これまでは被相続人の財産とするのが一般的だったようだ。しかし、最高裁の判決などにより、現在は相続人の「一時所得」として取り扱うこととなったので注意していただきたい。

税務ニュース№38


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