平成20年度税制改正に向けて、各省庁の税制改正要望が発表

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今年の税制改正論議は難航か

平成20年度税制改正に向けて、各省庁からの来年度税制改正要望が出揃った。先日の参議院選挙で与野党が逆転したことにより、今年の税制改正論議は難航することが予想されるため、ざっと見る限り各省庁からの要望にも、そんなに目立った大きな要望はあまり見当たらない。噂されていた消費税増税も、この状況では先送りとなる可能性が高く、来年度は「無難な税制改正」になりそうだ。

例年通りでいけば、今後のスケジュールとしては、11月頃から税制調査会での議論が本格化し、12月中旬には「与党税制改正大綱」として発表される。

金融庁・・・証券優遇税制が論議の中心

まずは金融庁。今回の税制改正論議の中心となるであろう証券優遇税制についての要望等が盛り込まれている。

上場株式等の譲渡所得の優遇税率(現行10%)については平成20年12月31日まで、上場株式等の配当所得の優遇税率(現行10%)については平成21年3月31日までとなっているが、金融庁は前者については、「当分の間の継続」、後者については「恒久化」することを要望している。

また、現状では同じ金融商品の損益でも、株式譲渡所得と配当所得の間では損益通算することができない。この点を改正し、金融商品間での損益通算の範囲拡大を要望している。

国土交通省・・・住宅関連税制の新設、拡充など盛り込む

国土交通省では、住宅関連の優遇税制の新設や拡充をメインに要望している。

新設項目としては2つの要望が上がっている。1つは「住宅長寿命化促進税制」の創設で、耐久性、耐震性等を備えた一定の基準に適合する認定住宅について、その取得にかかる登録免許税、不動産取得税及び固定資産税を一定率または一定額減免するというものである。

もうひとつは、「省エネ改修促進税制」の創設で、既存住宅において窓の二重サッシ化や壁の断熱化などの省エネ改修を行った場合に、かかった費用の10%(上限20万円)を所得税から税額控除でき、固定資産税も3年間は1/2に減額するという内容だ。

他にも、平成18年度税制改正により新設された「耐震改修促進税制」の拡充や、新築住宅にかかる固定資産税の軽減措置の延長、住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特例の延長などが盛り込まれている。

厚生労働省・・・現行優遇税制の延長がメイン

最後は厚生労働省。新設項目としては、障害者の就労支援を行う事業所等に発注した費用の増加額の一定割合等について税額控除する「発注等促進税制」などが要望されている。その他は、たばこ税の引き上げや試験研究費の税額控除制度、人材投資促進税制、情報基盤強化税制などの延長や拡充となっている。

尚、これらの要望が実際の税制改正に反映されるかどうかは全くの未知数であり、今後の動向を引き続き注視していきたい。

税務ニュース№43


Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ