医療費控除の活用方法

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


医療費控除

サラリーマンが確定申告をする理由として最も多いのが医療費控除であろう。

医療費控除とは、納税者とその家族のために支払った年間の医療費が一定額を超える場合に適用できる所得控除の一つである。その家族とは、納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族が該当する。扶養関係の有無は関係なく、また必ずしも同居が条件ではない。納税者と財布を一つにして生活をしている親族であればよい。なお1年間を通じて生計を一にしていなくても、医療費の支出があった時点で生計を一にしていればよいのである。

医療費控除額の計算方法

医療費控除の対象となる金額は次の算式で計算した金額(最高200万円)である。

(実際に支払った医療費の合計額―イの金額)-ロの金額
イ 保険金などで補填される金額(高額療養費、出産育児一時金、損害保険契約や生命保険契約で支給される入院給付金や医療保険金など)
ロ 10万円(その年の所得金額の合計額が200万円未満の人はその所得金額の5%相当金額)

つまり、通常の場合は年間10万円以上の病院の領収書等がないと医療費控除の対象とはならない。

とはいえ納税相談場などでよくあるケースで、一年間領収書を集計すると10万円以上になるのだが、源泉徴収票を見せていただくと「源泉徴収税額ゼロ」ということがある。もともと所得税がゼロの人に医療費控除を増やしても、残念ながら所得税は還付されないので覚えておいてほしい。

また、保険金などで補填される金額が確定申告期限である3月15日までに確定していない場合がある。このようなケースでも医療費控除を受けることで税金を還付(還付申告)される人は、3月15日を過ぎても心配する必要はなく原則5年間であれば還付申告が可能である。しかし、確定申告をして税金を支払う人は、3月15日までに確定申告書を提出する必要がある。この場合は、申告期限内に補填される保険金等を見積もって医療費控除額の計算をして申告をし、後日実際に補填された保険金等との間に誤差があれば訂正すればよいのである。

添付または提示する書類

医療費控除は年末調整ではできず、確定申告書を提出する必要がある。その際、医療費の領収書等を添付又は提示する必要がある。健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」は領収書等には当たらない。

この添付又は提示する書類については、平成19年分の確定申告から改正が行なわれる。

国税庁の電子申告(e-taxという)を利用して医療費控除を申告する場合には、わざわざ領収書等を添付又は提示しなくてもよくなるのだ。ただし、確定申告期限から3年間は保管し、課税当局から提示の要請があれば、添付又は提示しなければならない。

領収書等の日付

医療費控除の対象となる医療費がどの年の医療費となるかは、単純に領収書等の日付だけで判断することになる。歯医者で差し歯にする費用をクレジットカードの分割で支払った場合、治療やローン返済が翌年以降にまたがったとしても、支払った年の医療費となる。

(次回は、医療費控除の対象となる医療費について具体例で説明する)

税務ニュース№52


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