平成20年4月1日以後契約のリース取引の改正その1

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


平成20年4月1日以降契約のリース取引

中小企業では一時のキャッシュ・アウトを抑制するため、パソコン、コピー機、車両などをリース契約により使用していることが多い。今回、平成20年4月1日以後契約したリース取引について、税務上の取扱いに変更があったので、簡略ではあるが2回シリーズで説明しよう。

リース取引の分類

リース取引はファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類される。

ファイナンス・リース取引とは、リース期間の中途で契約を解約できないリース取引またはこれに準ずるリース取引(解約不能のリース取引)で、かつ、借手がリース物件の経済的利益を実質的に享受し、物件の使用に伴うコストを実質的に負担することとなるリース取引(フルペイアウトのリース取引)のことである。

次にオペレーティング・リース取引とは、リース期間満了後の物件価値をあらかじめ見込んで行うリース取引で、主に中古市場が発達している自動車や航空機などが対象物件となるリース取引のことである。

ファイナンス・リース取引はさらに2つに分類

ファイナンス・リース取引は所有権移転リース取引と所有権移転外リース取引に分類される。

1.所有権移転ファイナンス・リース取引⇒リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借手に移転すると認められるもの

2.所有権移転外ファイナンス・リース取引⇒①以外のもの

中小企業がパソコン等をリース会社からリースし、毎月定額の賃借料を支払うケースは、ほとんどが所有権移転外ファイナンス・リースとなるような契約になっていることが多い。

税務上の取扱い

平成20年4月1日以後契約のリース取引について、税務上大きく改正があった。改正前は、ファイナンス・リース取引のうち所有権移転外ファイナンス・リース取引について、支払リース料を損金経理する賃貸借処理が是認されていた。

しかしながら、平成20年4月1日以後に契約するリース取引については、リース資産の引渡し時に「売買取引があったもの」として取り扱うことと改正された。

中小企業における所有権移転外ファイナンス・リースの税務上の取扱い

所有権移転外ファイナンス・リースについて売買取引とすることとされたが、中小企業については中小企業会計指針(中小企業が拠ることが望ましいとされる会計基準のこと)により、所有権移転外ファイナンス・リース取引について売買処理を原則とするが、例外として賃貸借処理することができるとされている(重要性がないリース取引を除き、未経過リース料を注記すること)。税務上も、支払リース料が毎月定額で「リース期間定額法」により計算される償却限度額と同額になるような契約であれば(通常は同額となる契約が多い)、申告書で申告調整する必要はない。

但し、実務上においてはあえてリース開始時に「リース資産/リース債務」として資産と債務に計上する方法(売買処理)をお勧めする。というのは、売買処理を行うほうが消費税の仕入税額控除や30万円未満の少額減価償却資産の特例、特別税額控除の適用を受けるためには管理が良いためである。次回は、消費税の取扱いを中心に説明をする予定である。

税務ニュース№78


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