交際費と認定されない支出の仕方その1

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


税務上の交際費とは?

税務上の交際費とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」とされている。ただし、次に掲げる費用は交際費から除かれる。

・専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用

・飲食等のために要する費用(専らその法人の役員や従業員等に対するものを除く)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

・カレンダー、手帳など広告用物品を贈与するために通常要する費用

・会議に関して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用

・新聞雑誌等の出版物等の記事の収集のため、又は放送のための取材に通常要する費用

交際費は費用にならない!

個人事業であれば、プライベートでの支出と判断されるもの以外であれば全額交際費として費用処理できる。しかし、法人の場合は税法で交際費は全額費用とはならないのである(いわゆる交際費の損金不算入)。ただし、資本金1億円以下の中小企業者については特例が設けられている。

◎期末資本金額1億円以下の損金不算入額(事業年度を1年とする)
支出交際費等の額が年間400万円以下→支出交際費等の額×10%
年間400万円超→(支出交際費等の額-400万円)+400万円×10%

◎期末資本金額1億円超の損金不算入額=支出交際費等の額

上記算式からわかるように中小企業においては、支出交際費等の額が400万円を超えてしまうと、超えた金額については法人税等の計算上費用として認められなくなる。ということは、例えば500万円の交際費を支出した場合、(500万円-400万円)+400万円×10%=140万円が税法上費用とはならず、法人税率等40%と仮定した場合には、140万円×40%=56万円もの税金を負担することになる。

では、交際費から除かれている費用項目だが、注意点について説明しよう。

福利厚生費との関係

従業員の慰安・親睦を兼ねて、一般的に新年会、忘年会、歓送迎会等を開催することが多い。大抵1次会は全従業員を対象に行われ、社会通念上妥当と認められる金額内であれば福利厚生費として経理処理できる。問題となるのは有志だけが参加する2次会からだ。この2次会については交際費又は給与として取扱うこととなるので、会社が負担するのは1次会までとするのも1つの方法である。

会議費との関係

会議に際し食事を提供することがあるが、昼食の程度を超えないものであれば、会議費として経理処理できる。これは会社での会議後に場所を移して食堂やレストランで提供されたものでもよい。ただし、料亭などで提供された場合には、アルコールも伴い金額も多額になると考えられるので、社内飲食費とはいえども交際費として取扱うこととなるので注意されたい。

役員報酬との関係

役員だけでゴルフコンペをする会社もあるようだが、こちらは福利厚生費にならないのはもちろんのこと、交際費というより役員に対する賞与として認定される。ご存知の方も多いが、役員に対する賞与は法人では費用にならず、個人では源泉所得税の対象となりダブルパンチで損となる。役員だけの社内ゴルフコンペ代は、個人のポケットから出金するのがいい。

次回は、交際費から除かれている5,000円以内の飲食費について説明する。

税務ニュース№88


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