中小企業倒産防止共済のすすめ

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


中小企業倒産防止共済とは

今年に入って、不動産業や建設業を中心に大手企業も含めた倒産が相次いでいる。中小企業は連鎖倒産にならないよう、余裕のあるうちから早めに対策を打っておきたいところだ。

そういう中小企業におすすめの制度がある。それが「中小企業倒産防止共済」という制度である。この制度は、普段から掛金を積み立てておき、万が一取引先が倒産した場合には、掛金総額の一定の範囲内で借入れができる制度で、中小企業基盤整備機構が運営している。

今回はこの制度について、ご紹介していきたい。この制度には、主に以下の4つのメリットがある。

1.掛金は全額経費に計上できる。
2.取引先が倒産した場合に、借入れができる。
3.借入れは、無担保、無保証、無利子。
4.一時借入も可能。

掛金月額は自由に選択可能

まず毎月の掛金についてだが、これは5,000円から80,000円まで、5,000円刻みで自由に選択することができる。そして、掛金総額が320万円になるまで支払っていく。総額が320万円になったら、支払いは終了である。

例えば、毎月5万円の掛金を支払うと仮定すると、5年強で掛金総額が320万円に達する計算になる。この間、毎年60万円の掛金が発生するが、この60万円は経費として計上できるため、節税にもなる。尚、掛金の月額は、途中で増減することもできる。

掛金総額の10倍(3,200万円限度)まで借入OK

取引先の倒産が発生し、売掛金が貸倒れてしまったという場合には、その時点での掛金総額の最高10倍まで、借入することができる。ただし、掛金総額は320万円が限度なので、借入限度額はその10倍、3,200万円までとなる。この借入については、担保も保証人も利息も不要である。返済期間は5年間で、最初の半年は据置期間となる。

もちろん、貸倒れた売掛金等の金額までしか、借入れはできないし、あくまで借入れであるので、当然返済しなければならない資金であることには違いないのだが、そういった非常事態のときには、非常にありがたい資金になる。

中小企業者の要件に注意

また、取引先の貸倒れが発生しなくても、掛金総額の約80~100%の範囲内で借入をすることができる(ただし、加入後1年間は借入できない)。万一、解約したくなったときには、1年以上掛金を支払っていれば、上記と同じく、掛金総額の約80~100%が戻ってくる。

尚、この中小企業倒産防止共済に加入できるのは、一定の要件に該当する中小企業者のみであるため、注意して頂きたい。例えば小売業であれば、資本金5,000万円以下または従業員数50人以下のいずれかを満たすことが要件となっている。

また、注意点は他にもある。まず、夜逃げ等の場合は貸付対象とならない。掛金納付月数が40ヶ月未満で解約した場合にも、掛金の全額は戻ってこないため、注意が必要である。加入は、金融機関や商工会議所等で受け付けている。

詳しい要件や注意点は以下のHPをご覧頂きたい。
https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/

税務ニュース№92


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