長寿医療制度の保険料を負担して社会保険料控除を増やす

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


長寿医療制度の保険料は天引きが原則

本年4月から「長寿医療制度」が実施されているが、皆さんもご存知の通りいろいろな問題が生じている。名称も当初は「後期高齢者医療制度」と呼んでいたはずだったが、いつの間にか変更されていた。

さて、この長寿医療制度の保険料についてだが、徴収漏れがないよう原則として年金から特別徴収、つまり天引きされるシステムである。しかしながら、年金額の少ない高齢者のなかには、保険料の負担が重荷になっておられる方も少なくはないだろう。

平成20年10月から口座振替が開始

そこで、この10月以降の保険料については、市区町村等に一定の手続きを行うことにより、年金からの天引きに代えて、口座振替による支払いを選択できるようになった(詳しくはお住まいの市区町村等にお問い合わせ願いたい)。

①国民健康保険料を滞納なく確実に納付していた方→本人の口座から口座振替が可能

②年金収入が180万円未満の方(本人)→被保険者の世帯主又は配偶者の口座から口座振替が可能

③上記以外→本人の年金から天引き

社会保険料控除をアップさせて節税

所得税・個人住民税の社会保険料控除については、居住者が自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額をその居住者の社会保険料控除の対象とすることができる。この場合の「生計を一にする」とは日常の生活のお金を共にすることを意味する。例えば、会社員が大学生の子供と別居して暮らしているが、子供に生活費として毎月仕送りをしている場合は「生計を一にする」に該当する。

もちろん、長寿医療制度の保険料も、税金の計算上社会保険料控除を構成する。したがって、本人の年金から天引きされた場合には、本人の社会保険料控除となる。一般的に、国民年金のみの方や第3号被保険者である妻などの年金収入は、非課税枠内となり、社会保険料控除を節税に活用できないことが多い。

一方、10月から開始された「被保険者の世帯主又は配偶者が口座振替により保険料を支払う」場合には、その口座振替により支払った世帯主又は配偶者に社会保険料控除が適用されるのだ。所得の多い生計を一にする親族が保険料を負担することにより社会保険料控除を節税に活用することができる。

子供の国民年金を親が支払った場合

同様に、例えば生計を一にするフリーターの子供の国民年金を親が支払った場合には、その支払った親が社会保険料控除を適用できる。また、子供の過去の国民年金未納分をまとめて親が支払った場合には、親はその支払った年分にその支払った全額を社会保険料控除の対象とすることができる。

天引きされている介護保険料は誰の社会保険料控除か?

一方、扶養している妻の公的年金から介護保険料が天引きされている場合、夫の確定申告において妻の介護保険料を社会保険料控除とすることはできない。それは、介護保険料を負担しているのは妻だからである。

税務ニュース№98


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