事業承継税制(特例措置)を受けた後の手続きはこれだ!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


法人版事業承継税制(特例措置)とは?

法人税版事業承継税制(特例措置)とは、中小企業の後継者が非上場株式等を先代経営者から贈与または相続により取得し、都道府県知事の認定を受けた場合、本来納付すべき贈与税・相続税のうち、取得した非上場株式等に係る部分について、納税が猶予される制度です。

その後一定の事由が生じた場合には免除されます。

恒久措置である「一般措置」より要件等が緩和された「特例措置」が期間限定で創設されています。

「特例措置」は、次のようなアドバンテージがあります。

1.対象株式数の上限撤廃
2.贈与税・相続税の納税猶予割合を100%に拡大
3.認定後、5年間で平均8割以上の雇用維持が未達成でも納税猶予を持続可能

ただし、誰でも受けることはできません。

まずは、特例措置を受けるために必要なエントリーシートのようなものである「特例承継計画」を令和6年(2024年)3月31日までに提出するのが原則です。

今回のコラムは、その適用を受けた後に必要な手続きがいくつかありますので、その内容をお伝えします。
(「特例承継計画」につきましては、『相続税50億円を0円に、魔法の特例承継計画とは?』をご参照願います)

法人版事業承継税制(特例措置)を受けた後の手続き

法人版事業承継税制(非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除)の適用を受けている人は、納税猶予期間中は、特例経営贈与承継期間である5年間については毎年、その期間経過後は3年ごとに役所へ報告義務があります。なお、今回は贈与で説明しますのでご了承願います。

◎特例経営贈与承継期間である5年間」→都道府県へ「年次報告書」と税務署へ「継続届出書」を提出する。

◎「その期間経過後は3年ごと」→税務署のみへ「継続届出書」を提出する。

この「継続届出書」の提出がない場合には、猶予されている贈与税の全額と利子税を納付する必要がありますので、注意が必要です。

都道府県へ「年次報告書」

最初に一定期間内に都道府県へ次の書類を提出します。
そして、要件を満たしていれば納税猶予が継続となり、年次報告書に係る「確認書」が郵送されます。

1.年次報告書
2.定款の写し
3.登記事項証明書
4.株主名簿の写し
5.従業員数証明書
6.贈与報告基準年度の決算書類
7.上場会社等及び風俗営業会社のいずれにも該当しない旨の誓約書
8.特定特別子会社に関する誓約書
9.その他、認定の参考になる書類、返信封筒

「5.従業員数証明書」については証明書類として「厚生年金保険の標準報酬月額決定通知書」などを添付する必要があり、若干面倒です。

税務署へ「継続届出書」

都道府県から「年次報告書に係る確認書」を入手したら、次は税務署へ一定期間内に次の書類を提出する必要があります。

1.非上場株式等について贈与税/相続税の納税猶予の継続届出書(特例措置)
2.特例認定(贈与・相続)承継会社に関する明細書(特例措置)
3.定款の写し
4.株主名簿の写し
5.年次報告書の写しとその報告書に係る都道府県知事の確認書の写し(特例経営贈与承継期間経過後は不要)
6.その他指定の書類

こちらは難しくありません。

多額の税金が猶予され免除を受けるためには、それ相当の手続きが必要と思ってください。

スケジューリングが非常に重要であるため、会計事務所の支援のもと、決して忘れずに手続き願います。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№847

補助金・助成金のご相談


Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ