経営者が年末までに検討実行すべき相続対策

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2021.11.29


昨年の税制改正大綱にて「節税規制」?

昨年末に発表された2021年度税制改正大綱に下記の記載がありました。

『高齢化等に伴い、高齢世代に資産が偏在するとともに、相続による資産の世代間移転の時期がより高齢期にシフトしており、結果として若年世代への資産移転が進みにくい状況にある。

高齢世代が保有する資産がより早いタイミングで若年世代に移転することになれば、その有効活用を通じた、経済の活性化が期待できる。
このため、資産の再分配機能の確保に留意しつつ、資産の早期の世代間移転を促進するための税制を構築することが重要な課題となっている。

わが国の贈与税は、相続税の累進回避を防止する観点から、高い税率が設定されており、生前贈与に対し抑制的に働いている面がある。
一方で、現在の税率構造では、富裕層による財産の分割贈与を通じた負担回避を防止するには限界がある。

~中略~

相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の「相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直す」など、格差の固定化の防止等に留意しつつ、「資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築」に向けて、本格的な検討を進める。

どう変わるのか?

上記大綱のキーワードは、「相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直す」「資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築」です。

では、どういった改正の方向性が考えられるでしょうか。

例えば下記ではないかと考えます。

生前贈与について、110万円まで非課税の「暦年課税制度」を廃止又は縮小し、相続時にまとめて課税する「相続時精算課税制度」への比重を上昇させる。』

暦年課税制度の縮小とは、例えば、「110万円非課税枠の金額縮小」や「相続前3年間の相続税への生前贈与加算の期間延長」です。

年末までにやるべき相続対策

それはずばり、改正前の税法が使えるであろう今年中に、「暦年課税制度」をフル活用することではないでしょうか。

暦年課税制度の主な特長
・年間110万円までの贈与は非課税
・上記は、贈与を受け取る人ごとに判定する

例えば、子供3人孫7人の計10人に100万円の贈与を年末までに行うと、10人×100万円=1,000万円の財産を相続税対象から除外出来ます(3年以内生前贈与加算除く、以下同じ)。

相続財産が多額の場合は、相続税と贈与税の実行税率の差までは、贈与が有効となることがありますので、例えば贈与金額を300万円まで引き上げた場合は、10人×300万円=3,000万円の財産を相続税対象から除外出来ます。

この場合の受贈者それぞれの贈与税は、(300万円‐110万円)×10%=19万円となり、実効税率は19万円/300万円=約6%で低率です。

もし来年も改正が実行されないのであれば、2022年1月に同様に実行すれば、1,000万円×2年=2,000万円、3,000万円×2年=6,000万円と、それぞれ倍の節税効果となります。

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この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№772


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