輸入代行事業者を利用した場合の消費税の仕入税額控除

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


消費税法上における輸入

保税地域から引き取られる外国貨物、いわゆる輸入品には、原則として消費税がかかります。

この外国貨物を保税地域から引き取る者は、原則としてその引取りの時までに輸入申告書を提出し、消費税を納付しなければなりません。

なお、輸入取引についても、別途地方消費税が課税されます。

外国貨物の課税標準は、関税課税価格いわゆるCIF価格に消費税以外の個別消費税の額および関税の額に相当する金額を加算した合計額です。

輸入品を引き取る者が消費税の納税義務を負います。
免税事業者はもとより、個人事業者でない給与所得者や主婦であっても、輸入品を引き取るときには納税義務者となります。

輸入品を保税地域から引き取ろうとする者は、原則として、品名、数量、金額等と消費税額などを記載した申告書を保税地域を所轄する税関長に提出し、引き取るときまでに消費税を納付しなければなりません。

この納付した消費税は、税関から交付される「輸入許可書」等を保存しておくことで仕入税額控除として取り扱います。

輸入代行業者に依頼した場合

輸入に際しても、実務上は輸入代行業者に輸入手続きを依頼している場合が多いと思われます。

税務署から「輸入手続きを委託した場合の仕入税額控除の取り扱いについて」事例が公表されています。

【照会要旨】
当社は、米国のA社からB製品を輸入するに当たり、その輸入を国内のC社に委託することにしました。

B製品の輸入に際してC社が輸入貨物の引取り者(輸入者)として輸入申告を行い、C社においてB製品の保税地域からの引取りに係る輸入消費税を納付していますが、当社はC社の納付した輸入消費税を負担することとしています。

この場合、当社の消費税の確定申告に際して、当社が負担したC社の輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることはできますか?

【回答要旨】
貴社の消費税の確定申告において、B製品の輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることはできません。

(理由)
消費税の仕入税額控除の対象となるのは、国内において行う課税仕入れのほか、保税地域からの課税貨物の引取りがあります。この保税地域から引き取った課税貨物に課された又は課されるべき消費税額について仕入税額控除を受けるべき事業者は、消費税法第30条の規定に基づき、その課税貨物を引き取った者、すなわち輸入申告を行った者になります。

したがって、輸入消費税に係る仕入税額控除はC社が行うこととなるため、貴社が消費税の確定申告に際して、この輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることはできません。

この場合、貴社が輸入者となる輸入申告で、単にその手続をC社に代行させる場合には、C社ではなく貴社が、その輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることとなります。

実際の輸入者が輸入消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、輸入許可証の名義が重要です。

海外取引については、必ず税務調査で確認されると言っても過言ではありません。
取引毎に書類を確認してください。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№801


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