交際費と広告宣伝費

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


10月は野球、サッカーと日本一を決める試合があったり、まさにスポーツの秋だなと感じるところです。

そこで、スポーツ観戦等の観戦チケットや年間予約席を会社で購入する場合は、費用になるのか、ならないのかということをお伝えします。

広告宣伝費となる場合

広告宣伝費と交際費の関係については、下記となります。

『交際費とは、得意先や仕入先その他事業に関係する者に対する接待等のために支出する費用であり、カレンダー、手帳、てぬぐい等を贈与するために通常要する費用や不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用は交際費等には含まないとされ、広告宣伝費となります。』

これを観戦チケットや年間予約席の購入費用当てはめてみると
『一般消費者に対し、抽選により招待するための費用』
『一般消費者に金品引換券付き販売に伴って交付するための費用』
『一定の商品を購入する一般消費者を招待することをあらかじめ広告宣伝し、
その商品を購入した一般消費者を招待するための費用』
として購入すれば、広告宣伝費として費用計上するできることとなります。

ただし、
『医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象』
『化粧品の製造業者や販売業者が理美容業者を対象』
『建築材料の製造業者や販売業者が大工、左官などの建築業者を対象』
『飼料、肥料などの農業用資材の製造業者や販売業者が農家を対象』
『機械または工具の製造業者や販売業者が鉄工業者を対象』
とする場合は一般消費者に当たらないので注意が必要です。

なんだか一見すると難しくてどういうことなのかわからない!となってしまいそうですが、例えばスーパー等の小売店で『対象商品の購入者に抽選でチケットプレゼントします』というものは、広告宣伝費に該当します。

全てのチケットを一般消費者へということは、専ら広告宣伝効果につながり、広告宣伝費としての費用計上もできるということです。

交際費となる場合

実際のところは、せっかく購入したのだから、取引業者、仕入先等に対しての招待がほとんどだと思われます。

そうなると広告宣伝というより、販売促進活動、取引業者や仕入先等との親睦、接待等となることが多いでしょう。

中小企業の場合、年間800万円までの交際費は損金算入が認められていますので、交際費として費用計上することができます。
ただし、年間予約席の場合は高額な席を多数契約したりすると交際費の限度額を超えてしまうこともあるかもしれませんので注意が必要です。

給与(賞与)となる場合

購入した観戦チケットや年間予約席を特定の人しか利用していない場合にはその特定の人に対して、便益を与えたとされることもあるので注意が必要です。

特に特定の役員しか利用できない、特定の役員の親族のみの利用等の場合、役員賞与となり、損金不算入として扱われる上に、個人の所得税、住民税まで負担増となってしまいますので、注意が必要です。

最後に

特定の人だけの利用にならない限りは費用計上可能です。

そもそも論になってしまいますが、福利厚生費としてお考えの場合、従業員さんの中にはスポーツに興味がない、観たいスポーツ、チームもそれぞれ違うと思いますので、購入時はくれぐれも喧嘩などされませんようにご注意ください。

その場合は個人名義での購入が平和かもしれません。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№820


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