株で儲けた人、ソンした人の確定申告注意点

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


譲渡益が発生した場合~損益通算、社会保険との関係に注意

例年通り、確定申告の時期となり、既に申告の受付が始まっている。今回は、上場株式等の譲渡所得、配当所得について、注意点をいくつかご紹介したい。

金融所得関係では、昨年はいわゆる“ブレグジット”や“トランプ相場”により荒れた1年となり、大きく儲けた方がおられる一方、逆に大損した方もいらっしゃるだろう。いずれにしても、確定申告について注意が必要となる。

上場株式の譲渡所得については、源泉徴収ありの特定口座で取引されている場合、20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の源泉徴収がされており、このケースでは基本的に申告の必要はない。ただし、過去の譲渡損失を繰り越している場合には、確定申告すれば、損益通算により税金が還付される。

その場合、デメリットとしては、一部の自営業者や年金所得者などの場合、確定申告することにより、国民健康保険や医療費の自己負担などが増える場合があるため、注意して頂きたい。

なお、平成27年に上場株式等に係る譲渡損失の金額があったが、その譲渡損失を繰り越すための確定申告をしていなかった場合、今から必要事項を記載した期限後申告書を提出すれば、平成28年分の確定申告において、繰越控除の適用を受けることが可能である。

譲渡損が発生した場合~損失繰越、配当所得との損益通算

平成28年分で上場株式等の譲渡損失が発生した方については、上記の逆で、今回確定申告しておけば、その譲渡損失を3年間繰り越すことができるため、忘れずに申告しておきたい。

また、配当所得がある場合には、申告分離課税を選択することで、上場株式等の譲渡損失と損益通算することができる。配当所得が譲渡損失の金額よりも大きい場合には、配当の全てを申告すると、所得が増えるため、配偶者控除や扶養控除の対象となっている方については、扶養者の方の申告に影響が出ることなどが懸念されるが、源泉徴収ありの特定口座で取引している場合には、配当所得について申告不要を選択するか、申告分離課税を選択するかについて、その口座ごとに選択することができる。

なお、平成28年度税制改正において、証券税制における株式等の範囲に公社債が含まれることとなった。今回の申告から、公社債の譲渡についても株式と同様の取扱いとなるため、注意して頂きたい。

税務ニュース№458


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